Monthly Archives: 9月 2015

MALOSSI TC Unit O2 Controller

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<小さなボックスがコントローラ本体です>
マロッシ様からリリースされているO2センサキャンセラ(ラムダセンサエミュレータ)になります。黄色のコネクタ側がO2センサ・赤黒のリードが出ている黒いコネクタがインジェクタのバイパス回路になります。ブラックボックスの中がどうなっているかは不明ですが、原理的にはエキパイのO2センサからの信号を変調して、燃料を絞らせない様にするデバイスになります。

装着はカプラーオンなのでとても簡単です。
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画像真ん中よりチョイ左上の黄色いストライプが入っているのがO2センサコネクタです。

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赤いリードが向かっている先がインジェクタ。画像下のコネクタが本来のインジェクタコネクタです。

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そしてアースが1本(黒リード線)

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コントローラ本体はシート下スペースの前方に固定しました。

GTSのECUも触媒装置の安定的動作を目的にほぼ全域で理想空燃費である14.7を維持するようにマッピングされていると思われます。加えて燃費向上のために、アイドリング付近やスロットルオフ時にはさらに噴射頻度を落として17とか18ぐらいまで薄くしているはずです。
一方で、高出力が得られると言われている空燃費は12.5前後。
上記した数字よりも濃くないとなりません。
詳しくは知りませんが、インジェクタには無噴射時間ってのがあって時間当たりの噴射量増加までのタイムラグが存在します。燃圧にもよりますが、低頻度噴射時にその傾向が強くでます。
という事は、排ガス浄化や燃費対策の為に噴射頻度を落としてしまうと、スロットを開けても必要な噴射量に到達するまでに時間がかかる事になります。結果としてスロットルのツキの悪さや、低中速域の線の細さに繋がってくると考えられます。

今回装着したコントローラは信号変調によって・・・
・O2センサの信号を「燃料が薄い」状態であるとECUに伝えてインジェクタの噴射頻度を落とさせない
・ECUから送られてくる信号をエクスポネンシャルしてインジェクタの噴射頻度を高める
またはこの両方をしている感じかもしれません。

装着後は明らかに低中速のトルク感が違いますし、スロットルのツキも良くなります。
断然乗りやすくなります。
(この手のデバイスの性質上、燃圧がしっかりかかり、高頻度噴射する高回転領域で効能は得られません。ピークパワーが増加したり、最高速が伸びたりすることはありませんwww)

ちなみに、燃費は普通に4〜5km/l落ちます(これが本来であるという見方もあります。)
8リットル消費での航続距離で40km差が出てくる感じなので、「マストで装着!」的なデバイスでは無いかもしれません。
まーそれでも私は乗りやすさを重視して、全ての車輌で必ずO2センサはキャンセルしていますけどね・・・

続く・・・

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ABS-ASR その2<ASR>

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ABSと併せて、GTSには300Touringから装備されたASR(Anti-Slip-Regulation)
いわゆるトラクションコントロールシステムです。
メーカーによって呼称は異なりますが、
前後の回転差開大や駆動輪回転数の急激な変化等で、点火をカットして駆動力を制御するデバイスであると考えられます。(大まかにねwww)
ジャイロセンサーや加速度センサーを装備してスロットルだけではなく前後ブレーキ制御を併用する高度なシステムもありますが、GTS300Touringには点火をカットするシンプルなモノが採用されています。

278CC/21.5馬力なGTS300Touringの日常ライドにおいて、どのくらいASRが有用に機能するかはまだわかりませんが、予測し得ない路面状況変化への対応や、低μ路面での走行安定性確保等には威力を発揮すると思われます。

雨中走行時に、マンホール上でスロットルをガバッと開けてやると、メータパネル内のASRインジケータが点滅してシステムの介入をインフォメーションしてくれます。点火カットによるスロットルダウンも体感できます。首都高のつなぎ目なんかでも同様です。
現状、市街地走行では上記のように「ワザと」何かをしない限り作動しません(笑)
機会があればワインディングなどのスロットル開閉頻度が高い場所でも確認をしたいと思います。(サーキットが良いと思われますが、GTSで行くことは無いでしょうwwww)

<オマケ>
個人的にトラクションコントロールシステムがスゴいなーって感じるのはサーキットライドです。
コーナー立ち上がりでガバッとワイドオープンしても、ピコピコっとシステムが介入してくれて大きくリアがブレイクしたり、ピョンと車体が立ち上がってタコ踊りしてしまうこともありません。旋回しながらの減加速が必要な複合の高速コーナーなんかでもゆっくりターンインして向きを決めてあとは車体にブル下がってスロットルを開けていけば、ピコピコカチカチさせながら良い感じで旋回していきます。ノーコンフィデンスでも併走車に合わせてなんとなくスロットル開けてるとそれなりに走れちゃうので怖くないです(笑)
アマチュアファンライダーは、転ばないで程々のスリルを味わいながら楽しめるってのが一番大事だと思っているので、そういった意味ではABS同様、今後モトに乗るためには不可欠なデバイスなのかなーと思いますです。はい。

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ABS-ASR その1<ABS>

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<ESS用のフロントショックはいつ頃ラインナップされるのでしょうかね?>
GTS300Touringには、ABS-ASRシステムが採用されています。
セーフティデバイスとして今後広く普及していくと思われますが、現時点で小排気量スクーターに両方が装備されている車輌は多くありません。
一般ライダーにとって、ABSは安全に「停まる」という部分で相当効果的で、私自身はABSが装着されていない車輌はPXだけで、それ以外の車輌はかなり前からABSが装備されています。(あ、ET3・・・Sprint125・・・・ww)
使って見ると、いままで「これ以上握ったらロックするかも」という領域から実際にロックしてしまうまでの間にかなり幅があってホントにしっかりとタイヤを押しつけて制動されている事が体感できます。トラクションコントロールシステムとの併用でかなり安定した走行性能が確保できます。(サーキット走行でも「カクカク」「カチカチ」させながらほどよいスリル感で大きく破綻することなく楽しめます。)
サーキットや下りのワインディングなんかでリヤチョイ浮きハードブレーキングからの進入スライドみたいな乗り方が出来るライダーはともかく、我々のような一般ライダーはなかなかそこまで車体を抑え込めません。どこかで荷重が抜けてしまって制動力低下orロックみたいな感じになってしまうと思われます。特にリアヘビーなスクーターにおいてはより著明にその傾向が出ると考えられます。そういった意味でもABSの存在は大きいです。

さて、ABSシステムの整備および、P.A.D.Sによる各種センサ類の動作チェックおよび調整が完了しましたので、GTS300Touring でもABSの作動を本格的に試してみる事にしました。
まず、最高速付近からリアブレーキのみを全力で握り込みます。
制動初期にロック傾向を感じます(多分実際にはロックしていないと思う)が、軽いタイヤスキール音とともに、荷重が抜ける事無く制動していきます。リヤタイヤロックの原因となりやすい、制動初期の車体浮き上がりもあまり感じません。

次に、リアは同じく全力で握りしめ、同時にフロントブレーキもしっかり握って可能な限り最短距離での制動を試みます。(結果的にはリヤABS作動しっぱなし・フロントは一発目の握り込みのみ作動)車体姿勢が乱れることもなく、前後2輪が同じ感じで路面を押さえつけているイメージで制動されました。普段使いでの急制動は多分こんな感じのブレーキなのかな?前後輪ともにロックはしませんでした。

最後はフロントブレーキのみを可能な限り握り込んでみます。前後バランスの良い車輌であればこういう使い方も当然あるわけですが、スクーターではあまりしない?
地味に恐怖心が芽生えて、いきなり「ガツッ!!」とは握れずにビビりながら何度か深めに握り込んでABSが作動することを確認後、覚悟を決めて試してみました。
もっとダイビングして、ガクガクしたりしまうかと思っていたのですが、沈み込んだ奥で、ABSがカチカチ作動した状態が維持されます。もとに戻ってしまったり、ズコッっとすっぽ抜けてしまうような怪しい挙動も感じませんでした。スクーターにおける、従前自己体感よりも相当奥までブレーキを使った感触が残りました。気持ちよかったー(笑)

わざとABSを作動させて走行する必要はありませんが、何かの時に躊躇いなく握れるという大きなメリットだなーと改めて感じましたねー。

GTS300TouringのABSは大変グッドフィーリングです。(初期の点検調整は必須です)

ASR(Anti-Slip-Regulation)編に続く

<おまけ>
約25年前、私が峠の走り屋小僧の頃はABSはオプションでした。
当時はタッチが悪かったり、有り・無しでブレーキ・ハブ回りの部品が異なったり、ドライビング技術習得には阻害的であるという意見が主流であったため、スポーツ系ユーザには人気がありませんでした。
しかし、イマドキの皆さんの車輌はABS付き。
技術が低下したかと言えばそんな事はなく、むしろブレーキがギリギリまで使えるので18才の若葉マーク付きドライバーがヒョイ!って感じで簡単にブレーキングドリフトしてたりしています。躊躇無く踏めるので、「ここまでイケる」ってのを体感しやすいのかなと・・・

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278cc

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<150ccと278ccなベスパを並べる風>
GTS300は300という表記ですが、278ccです。
突然不思議なクラスのモトに乗り始めたので、会う人会う人にかなり突っ込まれますwwww
具体的には「微妙な排気量だよねー」「中途半端だよねー」って言われます。
(そもそもベスパは80とか100とか150とか200とかで、日本での車輌区分上は不思議チャンに分類されてしまう)

乗り始めてみるとボディサイズと排気量は国産には絶対無い絶妙なパッケージングだと思うんですけどね・・・

そして、その流れで必ず出てくるのは「車検」
125と150に拘る理由は解りますが、そこから上ははっきり言って理解不能(笑)
そんな時代じゃー無いよね。
人それぞれなのですが、私自身は「それって大事?」っていつも思います
何故かというと、「車検が!車検が!」っていう人が車検を2回通した事はまず見たことがない(笑)
そして250cc枠に固執して、点検せずメンテもせずで、定期的につまんない出費を繰り返す人はよく見ます(大笑)(あ、「車検だから」って3年以内に放す人もよく見かけるか・・・)

車と違ってモトの場合、車検のコストはたかがしれてますし、3年乗ったら新しく乗り換えても良いじゃんとも思います。日本の国内事情を鑑みピアジオジャパン様が2クラスで250を残したラインナップをしてくれていますが、GTSボディに搭載されているエンジンが200→250→300とスープアップしてきている以上、最新のベスパは最良のベスパ(ってのはポルシェか・・・w)かなって・・・
実際に乗り比べてみると250よりも、やっぱり300の方が良い!というのが、本音です。ちゃんと違いがあってそれが感じられます。もちろんどっちを選ぶかは各人の自由なんですが、車検ありきや任意保険ありきの車輌選びってつまんなくねー?って・・・

別に文句では無いんですが、元中免小僧(現普通二輪オッサンw)達によってたかって弄られたので、根暗にネットをはけ口にしてみます(笑)
今は誰でも大型取れるんだから取りやがれ!!いい加減ダサいぞ!←この話題は関係ないかwwww

続く・・・(続くのか!!ww)

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Malossi Racing dB Killer

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カーボンエンドが相当格好良いマロッシマフラーです。

下の画像はストック状態。ホモロゲーションマフラーですのでストレートな構造では無いと思いますが、消音・静音を目的としたデシベルキラーが装着されています。

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こんな感じ。装着の是非を判断できなかったので、グレートベスパオレンジ様のマシンを拝見させて頂くと・・・・付いてました。という事で私もつける方針に決定(笑)
マロッシ様のサイトでは、このマフラーのステンタイプとブラックタイプの2種と「RACING dB Killer」と商品が表示されます。この段階で良く説明を読めば良かったのですが、デシベルキラーはオプションであろうという先入観から確認せずにマフラー本体とデシベルキラーをオーダーしました。
そして商品が届いてみると、マフラーには上の画像のようにデシベルキラーがセットされていました。しかも外せない様に溶接で封印されていました。(これを外すとホモロゲーションが無効になる)

「なんだーもともと付いてんじゃん!!」と思ったのですが、よくよく見比べてみると標準装着されているデシベルキラーとレーシングデシベルキラーの形がかなり違うことに気付きました。
例によって自分の手は汚さずに、親方に封印チップをはじき飛ばしてもらい、ユーロ圏ホモロゲーションを無効にし、標準装着されているデシベルキラーを外して見ました。

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<左:レーシング 右:スタンダード>
画像上がマフラー出口になりますので、排気ガスは下→上に流れていくことになります。
スタンダードはサイドに合計6カ所パンチホールがあります。レーシングはパンチホールなし。

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<左:レーシング 右:スタンダード>
レーシングは単純なパイプ構造。スタンダードはメクラブタ風にプレートが溶接してあって、そこに1つパンチングが施されています。

レーシングはガスの流れを妨げずに排気できるのに対してスタンダードは分散配置された穴からの排気になる感じです。消音という部分では一度壁に当たったほうが有効に機能しそうですよねー
穴の総面積的にはほぼ同じ大きさなので、排気効率に差が出るのかは不明(笑)

実際に装着してみて聞き比べてみましたが、その差は「レーシング少しだけウルサい?」という程度。
とりあえず、無駄な買い物をしたという事実を無くすためにレーシングを装着することにしました。
<おまけ>
デシベルキラー無しだとかなり勇ましいサウンドなんですが、ベスパのECUを書き換えてくれる所もないし、そもそもメーター読みで140km(GPS計測上で130km弱)しかで出ないローパワーマシンが無駄にウルサいってのはダサいのでやめました。もうオジサンだし(笑)

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